副鼻腔炎(蓄膿症)で鼻の中や口が臭い理由と対策
風邪やインフルエンザ、花粉症によるアレルギー反応などによって引き起こされた鼻づまりが1ヶ月以上続いている人は、副鼻腔炎(蓄膿症)かもしれません。
副鼻腔炎は鼻の周りにある空間が炎症を起こす病気で、鼻づまりや倦怠感、 頭痛などの症状があり、放置していると鼻の中や奥、口からも臭いを発生させます。
今回は「口臭と副鼻腔炎」に注目して、副鼻腔炎の症状や口臭が発生する理由、予防法についてご紹介したいと思います。
「鼻や口から変な臭いがする」「口臭ケアをしても効果がない」などの悩みを抱えている方は、参考にしてくださいね。
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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩医師や専門家の方々と口臭について意見を交わし、15年以上に亘り数多くの口臭対策商品をつくってきました。その経験の中で得た口臭に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
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目次
副鼻腔炎(蓄膿症)とは?
「副鼻腔」とは鼻の周囲に左右4つ、合計8つある空間のことです。
風邪やインフルエンザ、花粉症によるアレルギー反応でなど鼻の粘膜に炎症が起きると、ドロリと粘りがあって色のついた鼻水が出てきたり、鼻の粘膜が腫れたりします。この粘度が高い鼻水や鼻粘膜の腫れによって副鼻腔の入り口がふさがれると、副鼻腔に鼻水や膿がたまります。これが「副鼻腔炎(蓄膿症)」です。
副鼻腔炎には発症から4週間以内の「急性副鼻腔炎」と、3カ月以上にわたって症状が続く「慢性副鼻腔炎」があります。どちらも細菌やウイルス感染が発症原因の大部分を占めますが、慢性副鼻腔炎は遺伝や生活環境など要因が多岐にわたり、治療に時間がかかる場合があります。
また、副鼻腔炎の炎症が悪化すると鼻の粘膜に「鼻茸(はなたけ)」と呼ばれるポリープができることも。鼻茸は鼻腔内に垂れ下がったキノコ状のかたまりで、嗅覚を鈍らせたり鼻呼吸を妨げたりします。薬だけで小さくすることは難しく、手術によって切除しなければいけません。
副鼻腔炎の主な症状
- ・鼻水
- ・鼻づまり
- ・後鼻漏(こうびろう/鼻水が絶えず喉に流れ込む状態)
- ・頭痛・頭が重い
- ・顔面痛
- ・嗅覚障害
副鼻腔炎になりやすい人
副鼻腔炎になりやすいのは、アレルギー性鼻炎がある人や、免疫力が低下している人です。アレルギー性鼻炎がある人は、普段から鼻の粘膜が腫れていることが多いため、風邪やインフルエンザなどでさらに副鼻腔の入り口がふさがれ、鼻水や膿が排出されにくくなります。
また、免疫力が低下していると細菌やウイルスが増殖しやすく、副鼻腔炎が悪化する可能性も。免疫力が低下する原因の一つはストレスであるため、ストレスを抱えている人は注意が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)で鼻の中や口が臭くなる理由
副鼻腔炎になると、副鼻腔にたまった膿による悪臭が鼻の奥や口からも発生するようになります。
また副鼻腔炎が関連する口臭は、膿による直接的なものだけではありません。鼻粘膜が腫れる・鼻茸が出来ることで鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸するために口腔内が乾燥。口の中を清潔に保つ唾液の分泌量が低下し、口腔内に細菌が増殖して悪臭ガスを発生させます。また、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)は歯周病や虫歯(う蝕)を誘発し、口臭をさらに悪化させるのです。
副鼻腔炎(蓄膿症)の臭いはどんな臭いに例えられる?
副鼻腔炎による膿の臭いは、うんちの臭い・生ごみが腐ったような臭いに例えられます。
副鼻腔にたまった膿から発する悪臭に口腔内の乾燥に起因した悪臭が混ざり合うと、他人にもわかるようなよりひどい臭いの口臭になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)による口臭を防ぐ方法
口臭の原因が副鼻腔炎にある場合は、耳鼻咽喉科で副鼻腔内にたまった膿を取り除く治療をすれば、口臭が改善します。鼻粘膜の腫れによって口呼吸になっている人も、副鼻腔炎の治療が進めば炎症が治まってラクに鼻呼吸が出来るようになります。
副鼻腔炎の影響で口呼吸となり口臭が悪化している人は、マスクの着用やこまめな水分補給、唾液腺マッサージなどで口の中を乾燥させないようにすることが大切です。口の中が乾燥すると歯周病リスクが高まるため、常に潤すように心掛けましょう。
また、副鼻腔炎が発症する原因の一つに免疫力の低下があります。免疫力を高めるための生活習慣をご紹介します。免疫力が上がれば、副鼻腔炎だけでなくさまざまな病気や不調を予防できますよ。
副鼻腔炎を予防するための免疫力アップ法
- ①十分な睡眠をとる
- ②栄養バランスがとれた食事を1日3食摂る
- ③腸内環境を整える
- ④適度な運動を行う
- ⑤笑顔をつくる
副鼻腔炎(蓄膿症)を治療しても口臭が改善しい時は何が原因?
副鼻腔炎を治療しても口臭が改善しない場合は、ほかに原因が隠れている可能性も。口臭は、発生原因によって大きく4つに分類されます。
- ①生理的口臭
起床時やおなかがすいた時、緊張した時などに発生する口臭のこと。唾液には殺菌・抗菌効果があり、分泌量が低下すると口腔内の細菌が増えて口臭が悪化します。
起きた時に口臭がひどくなる原因は、就寝中に口腔内が乾燥して細菌が増殖し、悪臭ガスを発生させるから。空腹時の口が臭くなるのは、膵臓(すいぞう)の膵液(すいえき)が胃で分解され、その際に悪臭ガスを発生させることが原因。緊張した時に発生する口臭は、緊張によって唾液の分泌量が減少し、口の中が乾くためです。 - ②病的口臭
口臭が発生する理由の大半は、口腔内のトラブルによるものです。舌に付着した細菌のかたまりである「舌苔(ぜったい)」や歯周病・ドライマウス・虫歯(う蝕)が主な原因で、副鼻腔炎による口臭も病的口臭に含まれます。
病的口臭の発生原因には食道や胃、肝臓、腸といった内臓の不調や病気が影響する場合も。腸内環境の悪化や便秘が原因の口臭は、ドブ臭いニオイやうんちの臭いになります。
口臭がうんこくさい、ドブ臭い原因は胃?内臓からくる口臭の治し方 >>詳しく読む
- ③食べ物や嗜好品による一時的な口臭
ニンニクやネギ、ニラなど強いニオイを発する物を食べた後や、タバコやアルコールを摂取した後に発生する口臭。歯磨きや時間の経過ともに口臭は消えます。
- ④心理的口臭
他者による確認や口臭チェッカーで口臭が認められないにも関わらず、「自分には口臭がある」と思い込む心理的な口臭のこと。話をしている相手の何気ない仕草(鼻を触る、顔をそらすなど)を見て「自分の口臭がひどいからだ」と思い込みます。歯科ではなく、心理的なアプローチでの治療が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)の放置は厳禁!耳鼻咽喉科で治療を
風邪やインフルエンザ、花粉症などを発症した後に鼻水が止まらない・鼻づまりが治らないなどの不調や鼻の奥に違和感を感じていて、うんちの臭いや生ごみが腐ったようなニオイに例えられる口臭がしているなら、副鼻腔炎を疑いましょう。
放置しておくと慢性化して常に鼻がつまった状態となり、ひどいニオイがする口臭の原因に。また、市販の点鼻薬を使い続けると、次第に効果が薄れて鼻の粘膜が腫れやすくなります。副鼻腔炎を早く治すためには、耳鼻咽喉科で診察してもらうのが最善の方法です。自分で判断せずに、かかりつけ医に相談してくださいね。
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