ストレス口臭に要注意!緊張すると口が臭くなる理由とは?
歯磨きもちゃんとしているし口の中に異変はないのに、原因不明の悪臭がする。そんな経験はないでしょうか。それはもしかすると「ストレス口臭」かもしれません。
一見無関係に思える「ストレス」と「口臭」ですが、実は医学的にも密接につながっていることが分かっています。この記事ではストレスが口臭になる原因や、予防・対策方法をお伝えします。
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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩医師や専門家の方々と口臭について意見を交わし、15年以上に亘り数多くの口臭対策商品をつくってきました。その経験の中で得た口臭に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
ストレスが口臭になる原因とは?
私たちの口の中は殺菌効果のある唾液が循環していて、いつも口の中を清潔に保ってくれています。何かの原因で、唾液の分泌量が減ると口の中の細菌が増殖して口臭が発生します。唾液が減る原因はさまざまありますが、そのひとつが「ストレス」です。
唾液が減るのは身体の防衛機能
皆さんも人前で話すなど視線を浴びるような場面で、口がカラカラに乾いた経験があるのではないでしょうか。これは副交感神経(リラックス状態)が優位な状態から、緊張によって交感神経(ストレス状態)が優位になったために起こった身体の防衛機能です。
ストレス状態になると、人の身体は生存するために重要な場所に優先的に血液を集めます。その結果、唾液腺の働きが低下して、口がカラカラに乾くのです。
大学生を対象に、試験が行われる前、試験中、試験後に唾液の分泌量と口臭の原因となる物質を測定したところ、試験中は唾液の分泌が試験前の6割程度になり、口臭の原因物質は約1.5倍に増加したという調査結果があります。試験後は試験前と同じレベルの数値となってたことからも、試験によるストレスが唾液の分泌と口臭に影響したと考えられます(※)。
※:Queiroz, C. S., Hayacibara, M. F., Tabchoury, C. P. M., Marcondes, F. K., & Cury, J. A. (2002). Relationship between stressful situations, salivary flow rate and oral volatile sulfur‐containing compounds. European journal of oral sciences, 110(5), 337-340.
自覚のないストレスに注意
人前でのスピーチや試験などは一時的なストレスの例ですが、仕事や人間関係の悩みごとが続くことにより緊張した状態が普通になってしまうケースがあります。そうなると身体はリラックスしていても心はリラックスすることができず、唾液の分泌量は常に減った状態に。その結果、いくら丁寧に歯磨きをしても口臭に悩まされることになるのです。
こんな症状は唾液不足のサイン
唾液が不足すると次のような症状がでることがあります。当てはまる項目が複数ある場合はは唾液不足が進行している可能性があります。
- ・口の中がネバネバする
- ・口の中が乾燥して話しにくい
- ・舌がザラザラする
- ・食べ物を飲みこみづらい
- ・熱い食べ物が苦手・味覚がおかしい
- ・喉が渇いて目が覚める
また、症状がひどくなると「ドライマウス(口腔内乾燥症)」と呼ばれる状態になることも。ドライマウスの患者数は国内で推定800万人から3000万人といわれています。男性より女性のほうが圧倒的に多く、50代以降の女性が大多数を占めています。
ストレス口臭の予防と対策
ストレスによる口臭の予防と対策には、ストレスを減らすことと唾液の量を増やすことが大切です。おすすめの方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ストレスを減らす
意識的にリラックスできる時間をつくりましょう。時間と場所を選ばないのは「深呼吸」です。1時間に1回など時間を決めて行いましょう。また、38度程度のぬるめのお風呂に長時間浸かることもおすすめです。そのほか、美味しいものを食べたり、音楽を聞いたり、お出かけをしたり、趣味の時間にあてたり、ご自身にあったリラックス方法を見つけてください。
体調も、ストレスへの抵抗力に影響します。バランスの良い食事と十分な睡眠を摂り、適度な運動を行うなど、生活習慣の見直しも重要です。
リラックスする方法やストレス解消につながる生活習慣を取り入れてもストレスや不安感が溜まってしまうという場合は、無理をせず心療内科にて専門医に相談することをおすすめします。
唾液腺マッサージを行う
口の周りには唾液腺という唾液が出るポイントがあります。唾液腺をマッサージして唾液の分泌を促しましょう。
水分補給を行う
唾液の原料は血液に含まれる水分です。唾液を増やすためにはこまめに水分補給をしましょう。カフェインには利尿作用があるので、水またはカフェインフリーのお茶がおすすめです。
よく噛んで食べる
噛むことが刺激になって唾液の分泌が促されます。ポイントは早食い防止のために食事の時間をちゃんと確保すること。すぐに飲み込まずゆっくりと噛んで食べるように心がけましょう。ひと口の量を減らすと自然と噛む回数が増えるのでおすすめです。
ストレスと上手に付き合いましょう
仕事や試験などにおいては、適度なストレスを感じることが集中力やモチベーションにつながるという良い側面もあると言われていますが、過度なストレスは心身にさまざまな影響を及ぼします。
ストレスを解消するための方法は人それぞれ異なります。自身にあった解消法を取り入れ、ストレスと上手に付き合いましょう。
また口臭はストレスの他、口の中のトラブルや内臓の不調などのサインとなることもあります。オーラルケアや生活習慣に気を配り、改善が見られない場合は専門医に相談することもおすすめします。
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