口臭を効果的に抑えるためのガム活用法
口臭を防ぐ方法として、まっさきに「ガムを噛む」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 市販のガムやタブレットの多くが口臭ケアをアピールしているということもあり、手軽な口臭の対策としてガムを取り入れている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、本当にガムが口臭予防になるのか? 口臭改善におすすめのガムは?など口臭とガムの関係について詳しく紹介します。
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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩医師や専門家の方々と口臭について意見を交わし、15年以上に亘り数多くの口臭対策商品をつくってきました。その経験の中で得た口臭に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
ガムで口臭を防ぐことはできる?
結論からいうと、ガムは口臭への対策になります。ただ、ガムの選び方や噛むタイミングなどを間違えると、かえって口臭が悪化することも…。まずは、なぜガムが口臭に効くのかを説明します。
1.マスキング効果
ほとんどのガムにはミントなどに代表される香料が含まれています。その香料が口臭を覆うことで、臭いを隠すことができます。これを「マスキング効果」といいます。臭いの元が消えたわけではないので、効果は長くて1時間程度といわれています。
2.唾液の分泌量増加
唾液は天然の殺菌・抗菌成分です。成人の1日の分泌量は1~1.5ℓにも達し、常に分泌されることで口の中を清浄化しています。ガムを「噛む」という行為で唾液腺が刺激され、一時的に唾液の分泌量が増加します。その結果、口臭を防いでくれます。
3.舌苔の除去
口臭の主な原因のひとつが舌苔(ぜったい)です。舌苔とは舌の付け根付近の中央に積もった白い苔状の汚れです。この汚れに含まれるタンパク質を細菌が分解することで口臭が発生します。ガムを噛むことは舌苔を取り除く効果があります。ポイントは味がなくなった後も舌の上で軽く転がしつづけることです。
口臭を防ぐガム選び 3つのポイント
ガムが口臭への対策になることがお分かりいただけたでしょうか? ガムは手軽な口臭ケアとして大変有効ですが、どんなガムでもよいわけではありません。口臭に効くガム選びのポイントについてご紹介します。
ポイント1. キシリトールの含有率が50%以上のもの
虫歯予防として知られるキシリトールですが、歯垢をつくるミュータンス菌の働きを抑制する作用があるため口臭に対しても効果があります。市販されているキシリトールガムの場合「キシリトール配合」と書いてあっても、微量しか配合されていない場合もあるので注意が必要です。選んでいただきたいのはキシリトールができるだけ高配合(最低でも50%以上)のものです。
<市販ガムのキシリトール含有量>
【ロッテ キシリトール】含有量:52~59%
【グリコ ポスカ】含有量:50~59%
【明治 キシリッシュ】含有量:45~54%
【モンデリーズ リカルデント】含有量:32~50%
【モンデリーズ クロレッツ】含有量:32%
【ロッテ アクオ】含有量:31%
ポイント2. 糖類が0gのもの
キシリトールが配合されていても、甘味料に糖類を使っていては全くの無意味です。糖類は口内細菌のエサになるので結果として口臭を悪化させることに繋がります。ガムの裏面か側面に記載された原材料を確認して「糖類0g」のものを選びましょう。キシリトール入りのガムのほとんどは甘味料に「マルチトール」「ソルビトール」などを使用しています。〇〇トールと名前のつくものはキシリトールと似た働きをするので問題ありません。
ポイント3. 酸性成分を含まないもの
レモン味やアップル味などのガムには、稀にクエン酸や果汁が含まれています。クエン酸や果汁はそれ自体が酸性なので避けましょう。口の中が酸性に傾くと口臭が発生しやすくなるためです。こちらもパッケージに記載された原材料を見るだけで簡単に確認できます。
おすすめは歯科専用ガム
キシリトール配合ガムでおすすめなのが「歯科専用」のものです。商品名、ボトルの形は市販のものとそっくりですが中身には大きな違いがあります。検索すればamazonや楽天などで手軽に買うことができます。ただ、ネットで買うよりは歯科医院で買った方がお安いケースが多いと思います。
1. 歯科専用「キシリトール」
キシリトール以外の甘味料を一切使っていない、キシリトール含有率100%ガムです。カルシウムとフノランも市販より多く配合されています。歯にくっつきにくい仕様です。市販のものより硬いため噛むことにより唾液の分泌がより促されます。
2. 歯科専用「POs-Ca F」
口腔内を中性にすることで再石灰化を促すガムです。市販のPOs-Caに加えて、フッ素がプラスされています。歯科専用ガムとしては珍しく味が長持ちするので、飽きずに噛みつづけることができます。
3. 歯科専用「リカルデント」
歯の石灰化を促進する成分CPP-ACPによりカルシウムが溶け出した状態を修復する再石灰化の効果があります。歯科専用品は市販品に比べて約2倍のCPP-ACPが配合されています。
ガムを噛むタイミングは?
大切なのは一度にたくさん摂るのではなく、一日に何度かに分けて摂り、毎日継続する事です。
1日の目安は4〜8粒。毎食後、歯磨き後、就寝前が効果的です。キシリトールが100%配合されているガムであれば就寝前に摂取しても問題ありません。
噛み始めて最初に出てくる甘い味がキシリトールです。100%キシリトールのガムは味が持続しないことが多いですが、味がなくなっても唾液の分泌を促進するために5~15分噛みつづけましょう。
根本的な解決にはならない
ただ、ガムによる口臭対策は一時的に口臭を減少させることはあっても、口臭の元から治すことはできません。
口の中だけでなく、体の中にも口臭の原因がある場合もあります。ガムで急場をしのぎながら、併せて根本的な解決を目指しましょう。
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