体臭はどこから臭う?体の場所ごとの原因と改善方法をご紹介!
男性にも女性にも共通の悩みである体の臭い。
体臭と一口にいっても、その種類は、汗をかいたとき、特定の食べ物や飲み物を摂取したとき、生活リズムが乱れているとき、何らかの病気を患っているとき、女性なら月経が起きているときなどさまざまです。
大切なのは体臭の種類による原因を特定し、それに合わせた適切な改善ケアをすること。今回は部位別の体臭とその改善策を詳しく紹介。さらに、日常生活の中ですぐに実践できるオススメの体臭改善ケアを紹介します。ぜひ参考にしてください。
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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩15年以上に亘り、医師や専門家の方々と意見を交わしながら「臭い」を研究し、数多くの臭い対策サプリをつくってきました。その経験の中で得た「体臭」や「加齢臭」に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
体の臭いは菌が原因?
汗をかくと臭いが心配になる方も多いですが、実は分泌されたばかりの汗はほぼ無臭なんです。
人体には常在菌といわれる細菌やカビが存在していますが、汗の分泌から時間が経ち汗や皮脂に含まれる脂質・タンパク質・アミノ酸などが常在菌によって分解された体臭(分解臭)や、空気に触れて酸化することにより体臭(酸化臭)が発生します。
体臭改善には常在菌のバランスが重要
常在菌は通常は人に害は与えず、人との共生の状態にあります。外から体内に入ってくる菌、特に病原細菌に対して、これらの感染を防ぐ役割も果たしています。さらに常在細菌は人の感染抵抗力・免疫応答力を増強するはたらきもあると言われています。このように、基本的には常在菌は私たちの味方になってくれる存在なのです。
しかし、汗を多くかいたり体調を崩したりすると常在菌の均衡が崩れ、体臭が強くなりやすいといわれています。そのため、体調を整え常在菌のバランスを保つことが体臭の改善には非常に有効です。
常在菌はあらゆる部分に生息していますが、その多くが腸の中にいるため腸内環境を整えることが非常に重要です。
特に「タンパク質と野菜類のバランスの良い食事」はその人独自の腸内フローラを維持すると考えられているため、腸内の改善に、ひいては体臭対策にとても効果的です。
体臭の強さが人によって違う理由は?
皮膚常在菌には表皮ブドウ球菌や、ワキガの人に多いコリネバクテリウムなど多くの種類があります。
どの菌がどんな割合で、どれくらいの数が住んでいるかは人それぞれ固有であり、食事や体調によって同じ人でも変化します。さらに汗や皮膚から分泌される物質も個人の体質によって大きく違いがあります。
つまり、体臭には「個人による分泌成分の多様性」×「皮膚常在菌の多様性」の分だけバラエティがあるということです。体臭の強さに個人差があるのは、これらの要因が絡んでくるからなのです。
汗には種類がある!
汗は皮膚にある汗腺から分泌され、汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2タイプがあります。普通「汗」と呼んでいるものは、この汗腺から出ています。
エクリン腺は全身に分布してサラサラとした汗を出します。水分が主成分のため分泌された時には無臭ですが、菌などの影響で時間が経つと臭いやすくなります。
また、アポクリン腺は脇の下や性器の近くにあり、タンパク質や脂質など臭いの元になる物質を多く含むため、菌の影響を受けやすく、臭いが強くなりやすいのが特徴です。
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体臭を防ぐためのケア
体臭が発生するメカニズムが分かったところで、体臭を防ぐための改善方法をご紹介します。
からだを洗い流して汗や分泌物を皮膚から取り去る
からだを洗い流すことは日々「入浴」という形で行っていますね。この入浴という習慣が結果的には体臭を消す対策に役立っているんです。
シャワーのみという方も多いかもしれませんが、からだの汚れが落ちやすいバスタブへの入浴をオススメします。
汗そのものを抑える
汗を抑えるためには「制汗剤」と呼ばれるものがあり、これは皮膚を引き締め汗が出ないようにするものです。
定番のスプレーから、スティックタイプ・ロールオンタイプなどさまざまな種類があります。
制汗剤と紛らわしいものに「デオドラント」があります。これは体臭そのものをマスキングしたり、臭い自体を減らす働きをもつものを指します。とはいえ、ほとんどの制汗剤にはマスキングのための香料や臭い軽減のための抗菌作用をもつ成分が入っていることが多く、境界はとても曖昧です。したがって制汗剤を選ぶときには成分を確認して自分の目的に合ったものか確認することが大事です。
皮膚に住む細菌の繁殖を抑える
体臭を作り出す細菌を殺菌・除菌する対策は有効です。
しかし通常の常在菌まで乱し、かえってより強い病原菌などの繁殖を許してしまう可能性もあり、必ずしも好ましいことではないといえます。度を越えた殺菌には気を付けましょう。
食生活の改善
脂っこいものや甘いものの摂取が増えると、腸で消化する際に悪臭の成分が発生しやすくなります。体内で生まれた悪臭の元は皮膚から放出される際に体臭となるため、バランスのよい食生活を心がけるようにしましょう。
部位ごとの体臭の原因と改善策
ここからは特に体臭が発生しやすいワキ・頭皮・足の裏の3ヵ所をピックアップして、考えられる原因と改善策をご紹介します。1つずつじっくり見ていきましょう。
ワキ
ワキのニオイは主に「アポクリン腺」という汗腺から出る汗にあります。
アポクリン腺はワキの下をはじめ、外陰部、肛門周辺、乳輪、外耳道など特定の部位にあり、糖質・アンモニア・脂質などの成分が含まれていてベトベトしているのが特徴です。
特にワキは蒸れやすい部位のため、皮膚表面に存在している常在菌の働きにより汗に含まれる成分がどんどん分解されて独特の「臭い汗」になってしまいます。
脇汗のニオイ改善
ワキは蒸れやすいため、蒸れによる酸化を防ぐ通気性・吸収性のよい衣類を選ぶことが大事です。また、こまめに汗をふいたりシャワーを浴びたりして、汗を放置しないようにしましょう。
わき毛をかみそりなどで除去すると常在菌が繁殖しにくくなるためニオイの改善に効果的ですよ。
脇汗の臭い対策と予防法!急に脇が臭くなった原因は? 詳しく読む>>
頭皮
頭のニオイは、頭皮の皮脂量によって大きく左右されます。
頭皮の毛穴から分泌される皮脂は髪を滑らかにしたり、乾燥や刺激から頭皮を守る重要な働きを担っています。しかし洗髪後4時間~半日程度で頭皮の毛穴にたまってしまい、過剰に分泌された皮脂やフケを餌にして雑菌が繁殖し、臭いを発生させてしまいます。
頭のニオイ改善
髪を十分に濡らしシャンプーをしっかり泡立ててから頭皮につけると、頭皮全体を均等に洗うことができます。
またコンディショナーは頭皮につかないようになじませながらしっかりと洗い流しましょう。また頭皮が脂っぽいからといって1日に何度もシャンプーするのは逆効果です。頭皮環境を整える常在菌が減り、臭いの原因となる細菌が増える可能性があります。洗いすぎには注意しましょう。
髪を洗ったあとは、しっかりと頭皮をドライヤーで乾かすことが大事です。生乾きの状態は菌の温床になり臭いが発生することもあります。ただし、長く熱風を当てるのは頭皮によくないので、手早く乾かすのがコツです。
頭皮が臭い!頭のニオイの原因と消す方法を解説 詳しく読む>>
足の裏
足が臭う原因は主に雑菌です。
足裏には特にエクリン腺が多く、足にもともと潜んでいる常在菌が汗と混ざった皮脂や古い角質・垢などの汚れを分解し、臭いの元となる物質ができます。特に、通気性の悪い靴や靴下を履きっぱなしにすると汗が溜まりやすく、雑菌が繁殖しやすくなります。
足のニオイ改善
足の常在菌は本来悪いものではなく、皮膚の表面を弱酸性に保ってバリアする働きがあります。しかし増えすぎると臭いのもとになってしまいます。
よって古い角質や汚れが残らないよう、丁寧に足を洗いましょう。ポイントは手で洗うこと。スポンジでごしごし洗うと足の裏を傷つけて菌の繁殖を促進してしまう可能性があります。汚れが溜まりやすい足指の間も手で優しく洗いましょう。
靴は、履いたら1日陰干しをしましょう。その際にお茶パックやキッチンペーパーに重曹を大さじ3杯包んで入れておくと、湿気やニオイ成分を中和するのでおすすめです。
足が臭い原因と対策を解説!洗っても取れない足の臭いを消す方法とは? 詳しく読む>>
まとめ
臭いはとてもデリケートな問題です。体臭で悩んだときは、まずその原因を突き止めて、それに合った対策をすることが大事です。ただし、中には思わぬ病気が隠れている場合もあるので、自己判断せずお医者様に相談しましょう。
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