洗濯物が臭い原因は?何度洗っても臭い、服の体臭や生乾き臭を消す方法

洗濯後の衣類の香りや臭いに対する消費者の意識は非常に高く、衣類の消臭効果や香りがついた洗剤、柔軟剤が数多く販売されていますね。

洗濯しても服から体臭や加齢臭を感じたり、部屋干し臭や生乾き臭がしたりと「洗濯物の臭い」に関して頭を悩ませている方も多いかと思います。

そこで今回は、ちょっとした手間をかけることで洗濯物からイヤな臭いを消す方法をご紹介します。ぜひ、日々のお洗濯の参考にしてください。

  • 代表取締役 横尾一浩
  • ●この記事を書いた人●

    グリーンハウス株式会社

    代表取締役 横尾一浩

    15年以上に亘り、医師や専門家の方々と意見を交わしながら「臭い」を研究し、数多くの臭い対策サプリをつくってきました。その経験の中で得た「体臭」や「加齢臭」に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。


    執筆論文
    シャンピニオンエキス含有食品の摂取が健常者の口臭(呼気臭)に及ぼす影響

  1. 目次

    1. 洗濯しても臭いが取れない原因は?
    2. 洗濯物の汚れはどうやって落とす?
    3. 衣類からの臭いを防ぐ洗濯法
    4. 洗濯物の部屋干し臭、生乾き臭の原因は?
    5. 体臭対策も行い、衣類の臭いを防ぎましょう

洗濯しても臭いが取れない原因は?

洗濯した服が臭う原因とは?

洗濯した服が臭う原因は、衣類に付着した「汚れ」と「雑菌」です。

洗濯物に付着した汚れ

そもそも洗濯物についているのは何の汚れでしょうか。「洗濯物の汚れ」は大きく22つに分類することができます。

  • 1.衣類に付着した襟や袖口の黒ずみ、食べ物や泥、ホコリなど。
    目に見えるので「洗濯したら落ちた」と実感できる汚れです。

    2.体の内部から出てくる汚れ(汗・皮脂)
    体から出る皮脂には体臭や加齢臭の原因となる物質が含まれており、これらを皮膚の常在菌が分解する際に臭いが発生します。
    皮脂や汗の汚れは時間が経つと黄ばみとなっていきますが、最初は無色透明で目に見えないので、汚れが落ちたことを確認することができません。特に皮脂は冷たい水では落ちず、繊維の奥まで入り込んで残ってしまうことが多いです。

洗濯物に付着した雑菌

衣類には、体から出る皮膚の常在菌が付着します。

これらの雑菌が同じく衣類に付着した皮脂や汗、タンパク質の汚れなどを栄養分にして繁殖し、臭いを発生させます。 つまり、皮膚で発生する体臭や加齢臭が、脱いだあとの洗濯物でも同じように発生するということになります。

「汚れ」と「雑菌」への対策が重要

洗濯物の臭いを消すには、菌そのものを退治することと、菌のエサとなる皮脂や汗の汚れを落とすことが重要です。

洗濯物の汚れはどうやって落とす?

汚れの性質を化学的に分類すると、汚れの9割は「酸性」になります。汗や皮脂は時間が経つと酸っぱいニオイがするので「酸性」です。酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を使って中和することで落ちます。したがってアルカリ性の洗濯洗剤を使えば理論上は落ちるはずですが、それだけでは衣類の皮脂汚れを完全に落とすことができないんです。その理由はアルカリ剤で汚れを中和しようとしても浸透力が弱く、繊維の中に皮脂汚れが入り込んでいると完全に落とすことが難しいからです。

そこで繊維に入り込んだ皮脂汚れをしっかりと落とすことができる優秀なものがあります。それは身近にある「石けん」を代表とする界面活性剤です。石けんも合成洗剤も弱アルカリ性で界面活性剤が含まれています。界面活性剤は浸透力が高く、本来は水に溶けないアブラ汚れを包んで粒にして水に溶かすことで、繊維の中に染み込んだ皮脂汚れをしっかりと落としてくれるのです。

汚れ落とし洗剤の主役!石けん!!

便秘の予防方法を解説

洗濯用には合成洗剤を使用している方が多く、「石けん」を選択肢に入れている方は少ないと思います。しかし洗濯用石けんには衣類からの体臭対策に効果のある素晴らしい特長があるんです。

メリット

石けんは環境に優しい天然の界面活性剤で、素早く繊維に浸透し皮脂の汚れを乳化して溶かし出すことができます。さらに石けんの成分であるグリセリンには保湿効果があるため、柔軟剤を使用しなくても衣類をふんわりと仕上げることができます。

デメリット

もちろんデメリットもあります。石けんは油脂が原料なので酸性の汚れが強いとベタベタとしたアブラに戻ったり、しっかり濯がないと石けんカスが繊維に残ってアブラの酸化臭が発生してしまいます。また、20℃以下の水には溶けにくく、冷たい水だと溶け残る可能性もあります。

石けんだけで洗濯をするのはハードルが高い?

合成洗剤に慣れている方がいきなり洗濯用石けんに変えることは、扱いが非常に難しく失敗することも多いです。そこで洗濯用石けんを用いた「部分洗い」がオススメ。襟・わき・袖口はとくに角質や皮脂がつきやすく繊維の奥の方に入り込んでいることが多いため、洗濯機で洗う前に固形の洗濯用石けんで部分洗い(予備洗い)することで、衣類の消臭対策に効果を発揮します。

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衣服の臭いを防ぐ!固形石けんを使った部分洗い

襟や袖口の黒ずみやワキの下の黄ばみなどは角質や皮脂汚れのサインです。そのまま洗濯機に入れて洗剤で洗っても、繊維の奥に入り込んだ皮脂までは落とせず、衣服からの嫌なニオイの原因になります。これは洗濯機に投入する前に部分洗いをすることで対策が可能です。

まずは襟や袖口をお湯でぬらして固形の洗濯用石けんを塗り付けます。洗濯用ブラシを使って繊維に沿ってブラシを動かし、繊維の間に入り込んだ汚れをかき出します。繊維を傷つけないように優しくこすりましょう。その後、洗濯ネットに衣服を入れて通常の洗濯を行って下さい。これだけで衣服の臭いが格段に変わります。

オススメ!部分洗い用洗濯石けん

発売から60年、今また大ヒット商品に

株式会社東邦

ウタマロ石けん

ウタマロ石けん

【品名】洗濯用石けん
【成分】純石けん分(98%、脂肪酸ナトリウム)、蛍光増白剤

汚れを落とすパワーが最大の特長。水に溶けやすく塗りやすい石けんなので、繊維の奥に入り込んでいる汚れを溶かし出し、生地も傷めにくいのでオススメ。
泥汚れ・皮脂汚れ・化粧品汚れなど、幅広い範囲の汚れに対応しています。
発売から60年が経つ歴史のある商品ですが、この10年ほどで部分洗い用の二ーズが再注目され人気が再燃。年間販売数1200万個を超える大ヒット商品となっています。
※ウタマロ石けんには蛍光増白剤白が使われていますので、色落ちや変色することがあるので注意が必要です。色柄物の洗濯には「ウタマロリキッド」がおすすめです。

衣類からの臭いを防ぐ洗濯法

衣類からの体臭を防ぐ洗濯方法

大量の汗ジミは水で洗い流す

汗は水溶性の汚れなので洗剤がなくても水で落ちます。したがって先に水洗いして汗を流すことで洗剤が皮脂汚れに集中できるため、臭い対策には非常に有用です。汗が染みついている衣服を洗濯機に入れて水で2~3分まわし、脱水した後に他の衣類と一緒に洗剤を使った通常の洗濯を行って下さい。

洗濯ネットを使う

洗濯機の水流が衣類をゴシゴシこすって汚れを落とすというイメージを持っている人が多いですが、実はそれ間違いなんです。前述のとおり、汚れを落とすのに大きな働きをしているのは界面活性剤。洗濯機の水流は、繊維の中の汚れを効率よく水の中に流し出すためのものです。したがって、洗濯物が水の中で泳ぎやすくするために、「洗濯ネット」を使うことが非常に重要。長袖のシャツや肌着、長ズボン、スカート、エプロン、ハイソックスなどは洗濯ネットに入れて絡まりを防ぎ、洗剤が浸透しやすくなるようにしましょう。

洗剤や柔軟剤が残らないようにする

洗剤や柔軟剤の強い香りが繊維に残留すると、元の汚れと混じりあい嫌なニオイの原因になるので注意が必要になります。また残った成分がエサとなり、雑菌の増殖につながります。 多く使いすぎないよう注意し、十分にすすぎを行うのがポイントです。

洗濯物の部屋干し臭、生乾き臭の原因は?

洗濯物の部屋干し臭、生乾き臭の原因は?

部屋干しした衣類や日々使うタオルからイヤな臭いがする主な原因が、「モラクセラ菌」です。

モラクセラ菌は湿った環境を好み、洗濯物に残った水分や皮脂、洗剤のカスなどをエサにして増殖し排泄物(ふん)を出します。このモラクセラ菌の排泄物が、部屋干し臭や生乾き臭の原因です。

部屋干しなどで乾くのに時間がかかると、ますます増殖しやすくなります。

モラクセラ菌は紫外線に強い性質をもつため洗濯後に天日干しをしても殺菌できず、再度水分や皮脂が付着した際に臭いを発します。モラクセラ菌を殺菌するには、天日干し以外の対策が必要です。

熱による殺菌

モラクセラ菌は熱に弱く、60℃以上の環境に20分程度さらすことで死滅します。

・熱湯に浸ける、煮沸する
・アイロンをかける
・コインランドリーにある高温の乾燥機を使う
といった方法で殺菌することが可能です。

逆性石けんを使う

熱湯やアイロンなどによる殺菌はモラクセラ菌対策に効果的ですが、手間もかかるうえに素材によっては衣類が痛む可能性もあります。そこでモラクセラ菌対策としておすすめのアイテムが「逆性石けん」です。

普通の石けんは弱アルカリ性で水に溶けると陰イオンの性質を持つのに対し、逆性石けんは弱酸性で水に溶けると陽イオンとなります。 細菌やカビの表面はマイナスに帯電していますので、陽イオンの性質を持った界面活性剤が強く吸着することで膜を破壊して殺菌する働きがあります。

逆性石けんには普通の石けんのような汚れを落とす効果はほとんどありませんが、その殺菌効果から手指などの殺菌・消毒液として使われています。 逆性石けんの多くは液体で、原液は「ベンザルコニウム塩化物液」「塩化ベンゼトニウム液」という名称でドラッグストアなどで販売されており、水で100倍~1000倍に希釈して使います。

逆性石けんは普通の石けんや洗剤とは逆の性質を持っていますので、同時に使うと石けんの汚れを落とす効果と逆性石けんの殺菌効果のお互いが弱まってしまいます。逆性石けんを希釈した液に浸けおきを行い、その後十分にすすいでから通常の石けんや洗剤で汚れを落とすのが効果的です。

オススメ!逆性石けん

浸け置きで菌やカビを一掃!

アリナミン製薬

オスバンS

オスバンS

【品名】殺菌消毒薬(逆性石けん液)
【成分】ベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム) 10w/v %水溶液

手指や食器類などの消毒・殺菌に使われる逆性石けん液ですので、安心して使うことができます。
洗濯物に使う際は水で500倍~1000倍に薄めて使用します。原液が皮膚に付着すると炎症を起こすことがありますので、手袋を付けるまたは付着時すぐに洗い流すようにしてください。色落ちにも注意が必要です。

早く乾かす

湿気による雑菌の増殖を防ぐため、洗濯したあとは早く乾かすことが大切です。 洗濯物どうしの間隔をあけて空気に触れやすくして、風通しの良い場所に干すようにしましょう。部屋干しの際は扇風機で風を当てるのもおすすめです。

洗濯槽にも注意

湿ったり、汗や皮脂が付着した衣類やタオルなどを洗濯機に入れて放置していると、モラクセラ菌が増殖しやすくなります。

濡れたものは分けるようにして、洗濯物はできるだけ溜め込まないようにするのがポイントです。 また洗濯槽に発生するカビもニオイの原因となりますので、使わない時は蓋を開けて乾燥させ、定期的に洗濯槽クリーナーで掃除するようにしましょう。

体臭対策も行い、衣類の臭いを防ぎましょう

便秘と体臭の関係のまとめ

首まわり・脇の下・背中など身体の上半身には皮脂腺が多く存在します。この皮脂が繊維の奥深くまで入り込んでしまい、雑菌が繁殖することで衣服が体臭や加齢臭の発生源になとなります。

洗濯用石けんは浸透力が高く、繊維の中に染み込んだ皮脂汚れをしっかり落としてくれるので部分洗いにとても便利なアイテムです。しかし洗濯による臭い対策だけではなく、生活習慣の改善やこまめに汗を拭きデオドランド用品を活用して衣服に臭いが移るのを防ぐなど、根本的な体臭対策も同時に行っていきましょう。

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