山鹿イメージ写真
山鹿イメージ写真
山鹿イメージ写真
山鹿イメージ写真

古き良き、新しき街 山鹿

江戸時代の宿場町、山鹿。

中心となる豊前街道には今も歴史ある

商家や史跡が当時の面影を残し佇んでいます。

そんな風情ある街並みを着物でそぞろ歩き。

さらに新しい山鹿の楽しみ方「山鹿あそび」も体験。

レトロで新しい山鹿旅のはじまりです。

レトロな豊前街道で
新しい“体験”のはじまり

江戸時代に参勤交代の宿場町として栄えた、熊本県山鹿市。参勤交代道であった豊前街道は、熊本から山鹿を経て北九州・小倉まで続いています。 当時の面影を今に残す商家などが軒を連ねる街道を散策すれば、江戸への往来で賑わったであろう時代へとタイムスリップしたかのような気分に! 今回は、徒歩でも回れる山鹿・豊前街道の観光スポットと、山鹿だけで体験できる「山鹿あそび」を楽しむ旅です。古き良き伝統と新しい感覚が交錯する、街の魅力をご紹介します。

伝統の山鹿灯籠
圧巻の灯籠まつりも

山鹿と言えば、最も有名なのが「山鹿灯籠」。和紙と少量の糊だけで組み上げられた 金灯籠は、国の伝統的工芸品にも指定されています。その歴史は古く、何と室町時代から受け継がれてきました。毎年8月15日・16日には「山鹿灯籠まつり」が行われ、金灯籠を頭に掲げた女性たちが「よへほ節」の調べにのせて山鹿灯籠踊りを舞い踊ります。クライマックスを飾る「千人灯籠踊り」では灯りの輪が幾重にも重なり、実に幻想的です。

灯籠まつり
灯籠まつり

▲山鹿灯籠まつりの代名詞、圧巻の「千人灯籠踊り」。頭に金灯籠を掲げた女性がゆったりとした舞を披露します。

100年を超える
芝居小屋「八千代座」

歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんが30年にわたって舞踊公演を行ってきたことでも知られる、山鹿が誇る芝居小屋「八千代座」。明治43年に山鹿の旦那衆(実業家)たちによって建てられた、桝席や花道など江戸時代の歌舞伎小屋の様式を今に伝える建造物です。最大650人の観客が収容でき、現在も芝居やコンサートなどが開催されています。老朽化によって一時は存続が危ぶまれましたが、八千代座を愛する市民の保存運動が実り、昭和63年に国の重要文化財に指定。平成の大修理を経て、全盛期だった大正12年当時の姿に蘇りました。

▲天井の絵は広告画。平成の大修理で建設当初の色鮮やかな広告を復元。現在も営業する店の広告画もあるそう。

舞台裏側見学ツアーTours

八千代座では舞台の裏側も見学できます。現役の芝居小屋の楽屋や奈落などを役者気分でそぞろ歩き。滅多に見られない奈落の狭さに驚きました。大きな梁などの建築構造もじっくり観察できて、とても貴重な体験でした。

八千代座
熊本県山鹿市山鹿1499 0968-44-4004
9:00〜18:00 第2水曜、12/29〜1/1 大人530円、小中学生270

うちわで卓球

昔ながらの温泉
「さくら湯」で卓球!?

古き良き文化に浸った後は「山鹿あそび」を満喫します。その名も「灯籠温泉卓球」。山鹿灯籠踊りにも使われる金灯籠を頭に掲げ、浴衣姿で卓球ができます。ラケットは伝統工芸品の「来民渋うちわ」。会場は九州最大級の木造温泉「さくら湯」です。専用の浴衣を着付けてもらい、金灯籠を掲げたらいざ!金灯籠があるので思うように動けず大盛り上がり。うちわのラケットだから、あたりが優しく誰でも楽しめる遊びでした。

灯籠温泉卓球の作法Manners

1.戦闘態勢を整える
浴衣を着て、金灯籠をかぶり、来民渋うちわをもって準備万端!
2.一礼
対戦相手と伝統工芸への敬意を忘れないこと。またいかなる時も灯籠が頭にのっていることを忘れないこと。
3.写真撮影
写真撮影を楽しむこと。SNSで「#山鹿あそび」でアップもOK!
4.お互いを思いやる
暑くなってきたら、対戦相手をうちわで仰いであげること。この時、素振りをするように。
5.脱灯籠
勝負に必死になる前に、壊れやすい金灯籠を外すこと。

江戸期の木造建築を
再生した公衆浴場

肥後細川藩主・細川忠利公が山鹿温泉を気に入り、御茶屋(幕府役人の休息・宿泊施設)を新築したのがさくら湯のはじまりです。明治初期に大改修され、市民温泉として生まれ変わりました。取り壊しにより一時はビルに移されましたが、平成24年に木造伝統工法で元湯が復活。まろやかな肌ざわりの泉質が心地よく、美人の湯としても有名です。重厚感漂う木造の建築美に感動しました。

▲市民温泉として親しまれてきた「さくら湯」。木造の梁や柱がむき出しになった迫力のある吹き抜け空間も必見です。

併設する「龍の湯」

江戸時代は、肥後細川藩主の入浴に使われる御前の湯でした。天井には狩野派の流れをくむとされる狩野洞容が描いたと伝わる、双龍の絵が掲げてあります。現在は「龍の湯」は見学のみとなっています。

山鹿温泉さくら湯
熊本県山鹿市山鹿1-1 0968-43-3326
6:00〜24:00 第3水曜(祝日の場合は翌平日) 大人530円、小中学生270

灯篭アイコン

「山鹿灯籠民芸館」で
擬宝珠ぎぼうしゅランプづくり

伝統的工芸品「山鹿灯籠」の展示・保存をしている「山鹿灯籠民芸館」でも、山鹿あそびが体験できます。 ここでチャレンジできるのは、金灯籠の先端部にあるパーツ「擬宝珠」のランプづくり。擬宝珠を象徴する蓮の花のつぼみは、優美な曲線がポイントです。紙の切断面同士は糊が少ないと接着できず、多いとよれてしまいます。慎重さが求められる細かな作業で、灯籠師の凄技を垣間見ることが出来ました。

▲山鹿灯籠民芸館は大正14年、山鹿の洋館第1号として建てられた安田銀行の建物を譲り受けています。

▲民芸館内は灯籠師による圧巻の作品が。天井には龍の湯の天井絵の本物が保存されています。

擬宝珠ランプづくりにチャレンジ

01

擬宝珠の型を慎重に切り抜きます。

02

切断面を接着。ここが一番難しいところ!

03

灯籠師さんが丁寧に教えてくれます。
紙が重ならないよう細かな作業が続きます。

04

擬宝珠の型を慎重に切り抜きます。

山鹿灯籠民芸館
熊本県山鹿市山鹿1606-2 0968-43-1152
9:00~18:00(受付終了17:30) 一般300円、小中学生150円

米米総門ツアー

菊池川流域の下町・惣門地区は、運河の船着場であったため、米の集散地として栄えていました。 街道筋には米に関する商家が並び、今でも創業100年を超えて商売を続けています。 商家の人たちが案内してくれるツアーに参加しました。

麹屋「木屋本店」

創業から約190年。職人がつくる麹について学びます。

酒造り史料館

阿弥陀車を体験。重い石も簡単に持ち上がります。

千代の園酒造は米問屋から酒屋に代わり127年の歴史。

光専寺

桜門は熊本城築城の際、余った材木で作られました。

せんべい工房

山鹿せんべい焼き体験。香ばしくて美味しかったです。

米米惣門ツアー1人/600円

マップタイトル

山鹿には魅力的なスポットがいっぱい!

八千代座や山鹿灯籠民芸館、さくら湯などの観光スポットが歩いて行ける距離にあります。白壁の伝統的建造物を眺めながら、風情に浸って散策してみるのもおすすめです。

観光マップ

観光のお問い合わせは

さくら湯観光案内所 0968-43-0111


https://yamaga.site/

山鹿グルメ

彩座「馬重」

馬重イメージ

馬重
1,500円。味噌汁、漬物付き

山鹿温泉の新名物「馬重」。ヘルシーで新鮮な馬肉にオリジナルのタレをつけて軽く焼いたお重です。ぎっしりと敷きつめられた馬肉の下には、シャキシャキ食感のもやしをはじめとした、地元の野菜がたっぷり。ご飯、お肉、野菜を一度にほお張ると、口の中で三位一体となって旨味が押し寄せてきます。中央の卵を混ぜると、まろやかな味わいに変化。ゆったりとした店内で、山鹿の名物を心ゆくまで楽しめます。

住所マーク熊本県山鹿市山鹿1699 住所マーク0968-43-8880

栗と空「不動のモンブラン」

モンブランイメージ

不動のモンブラン
(左)ミニサイズ 880円(右) 通常サイズ1,200円

山鹿市は、西日本一の生産量を誇る栗の名産地でもあります。中でも特産品の「山鹿和栗」は、しっとりとした食感と濃厚な甘さで人気です。そんな和栗をたっぷり使い、山鹿市のシンボル「不動岩」をモチーフにしたボリュームたっぷりのモンブランケーキ。和栗の美味しさが口の中に広がります。

熊本県山鹿市山鹿1699 0968-43-8880
10:00〜16:00 月曜(祝日の場合翌日)

ライン

鹿央物産館・ふれあい館

岩原双子塚古墳・発掘カレー

発掘カレー

岩原双子塚古墳・発掘カレー
1,100円。地元産のサラダ、縄文時代の主食であるどんぐりクッキー、デザート、コーヒー付き

山鹿を流れる菊池川流域には装飾古墳が点在しています。その中のひとつである前方後円墳「岩原双子塚古墳」を1/500の縮尺で正確に再現した古代米カレーです。古代米に眠る季節の具材を、スコップ型スプーンで発掘!ルーには古墳周辺で収穫される梨と地元産の野菜がたっぷり使用されています。楽しみながら絶品料理を堪能できる、これも「山鹿あそび」です!

熊本県山鹿市鹿央町岩原2965 0968-36-3838

編集後記

歴史ある街並みが魅力的な、熊本県山鹿市の観光スポットを巡った今回の「旅空」はいかがでしたか?八千代座はとても魅力的な建物で、市民の皆さんが保存活動に情熱を注いだ気持ちがよく分かりました。そして、一度は体験してみたいと思っていた山鹿灯籠踊り!金灯籠を頭に掲げると、自然と背筋が伸びました。次号でも九州が誇る観光エリアをご紹介しますので、どうぞお楽しみに。
スタッフ 古本