多彩な魅力を持つマリンスポーツクラブ
- ■SEAGULL INN
- 設立から38年という、老舗のマリンスポーツクラブ。福間海岸の目の前にあり、フィットネススタジオやバーベキューテラスも備えています。本格的なマリンスポーツから水辺のフィットネスまで、多彩な海でのプログラムが楽しめるのが特徴。今回体験したサップネスによるフィットネスは、海上でのプログラムが4800円(税別)、スタジオはチケット制で1回あたり1100円〜。
普段から運動する習慣をつけることが、いい汗をかくためのポイント。でも、ストイックにジムのマシーンで体を追い込んだり、黙々と走ったりするのはちょっと…、という方にオススメしたいのがビーチで行うフィットネス。楽しみながら汗を流せる注目のプログラムです。今回は、福岡県福津市の福間海岸にあるマリンスポーツクラブ「SEAGULL INN(シーガル イン)」で、制作担当・甲斐が水辺フィットネスを体験してきました。
海で行うフィットネスにもいろいろな種類がありますが、今回挑戦したのは〝サップネス〟というフィットネスボードを使ったプログラム。最近流行っているSUP(スタンドアップパドル)のボードに乗り、海の上でフィットネスを行うというもの。マリンスポーツ未体験者の私が、本当にそんなことができるのかちょっと心配です。
指導してくれるのは、「SEAGULL INN」のうみスタジオ34インストラクター門谷春香さん。インストラクターとしてだけではなく、スタンドアップパドルサーフィンの選手としても全国トップクラスの実力を持っていて、健康的な小麦色の肌や引き締まった体型など「私も頑張ればこうなれるかも」と期待してしまいます。
海が目の前に見える「SEAGULL INN」のスタジオで、サップネスに初体験。まずは、ボードの上に恐る恐る乗ってみます。ボードの底がお椀状になっているので、グラグラしてとっても不安定。でも、足の位置やバランスの取り方を丁寧に教えてくれるので、すぐに立てるようになりました。
手を上げて片足で立ったり、膝をついて片足を上げたり、左右に重心をずらしてボードを揺らしたり。ポーズをとるのに普段使っていない筋肉を使うのに加え、バランスを取るために絶えずどこかの筋肉に力を入れていないといけないので、あっという間に汗が吹き出てきます。特に太ももあたりはプルプルの状態。
「このサップネスに限らず、ボードを使ったマリンスポーツの基本は体幹軸です。ボードにも軸があって、その軸と自分の体幹軸とがピタッと重なった時にボードが安定し、体もリラックスできます。その感覚を、まず陸上でつかんでもらえるといいですね」
スタジオでひと汗かいたら、いよいよ海へ。スタジオの目の前に福間海岸が広がっているので、移動はとっても楽です。
さて、同じボードに乗るとはいっても、動かない床の上と海の上では大違い。小さいけれど波はあるし、どの方向から来るかわからない揺れに絶えず対応する必要があります。でも、バランスを取るということに集中する感覚が新鮮で、意外と楽しい。
「海の上のフィットネスが、精神的なリフレッシュにも効果があるといわれるのは、余計なことを考える余裕がなく、ボードの上にいることに集中できることも大きな要因です。もちろん、波の音や潮風、開放的な海の風景に包まれることもいい気分転換になります。そこに体を動かしたことによる心地よい疲労感が加わると、夜もぐっすり眠れるはずです」
海の上でも、スタジオでやったようなポーズに挑戦してみます。最初は『落ちちゃうかも』という恐怖心がありましたが、それも次第に楽しさに変わっていきます。
「スタジオより、海の上の方が消費カロリーは高くなります。また、不規則な揺れの中で体幹を意識することで、シェイプアップの効果も期待できます。何より、楽しみながらやれること、これが海の上のフィットネスの最大の魅力だと思います。楽しく遊びながら、気付いたらいい汗をかいていて、体も絞れる。もし、その楽しさに目覚めたら、本格的なマリンスポーツにもチャレンジしてください」
想像していたより、ずっと楽しかった海のフィットネス。汗も結構かいたはずなのに、潮風に吹かれていたせいか不快感もなく、心地よい疲労感と爽快感が残りました。気持ちよく体を動かしていい汗をかけば、さらにニオイ対策にもつながるかも!?水辺フィットネスで、楽しくニオイのない体づくりができそうです。
汗ばむ季節になると、体臭が気になる人も多いのでは?けれど、汗を敬遠して一日中エアコンの効いた部屋で動かずにいる生活は、汗腺の働きを抑え、逆にイヤなニオイを発する原因になることもあるのです!体臭が発生するメカニズムを知って、ニオイ対策のヒントにしてくださいね。
体臭と大きな関係がある汗ですが、実は、かいたばかりの汗は無臭です。あのイヤなニオイは、汗そのものではなく、汗や皮脂、皮膚の汚れをエサに細菌がつくり出した《ニオイ物質》のせいで発生しています。
皮膚には様々な細菌がいて、良い働きをする細菌は、汗と皮脂を分解して皮膚を弱酸性に保ち、良い香りの元となる脂肪酸を作ります。一方、悪い働きをする細菌が作り出すニオイ物質は、アンモニアやインドールなどを含む悪臭を放ち、ニオイの原因となるのです。
汗はエクリン腺とアポクリン腺、二つの汗腺から出ています。エクリン腺から出る汗の99%は水分で、それ以外はほとんど塩分です。サラッとしていて、出た直後は全くニオイはありません。
一方、アポクリン腺は、脇の下や乳輪、外陰部など限られた部分にのみあり、ここから分泌される汗には、脂肪や鉄分、尿素やアンモニアなどが含まれます。栄養たっぷりな上、塩分をほとんど含まないので、皮膚の細菌が繁殖しやすく、その発酵臭が独特のニオイとなるのです。
2つの汗腺以外に、皮膚を柔らかく湿潤に保つ働きをする皮脂腺(腺組織)があります。汗は出ませんが、ここからの油脂成分がエクリン汗やアポクリン汗と混ざり、細菌に分解されてニオイはさらに強烈になります。
1つめは、暑いときや運動をしたときなど、体温を調節するために体全体から汗が出る温熱性発汗です。2つめは、緊張や驚き、不安などから起こる精神性発汗で、「冷や汗」もそのひとつになります。3つめは、辛いものや熱いものを食べて額や鼻、唇の周囲、首などに汗をかく、味覚性発汗です。平均350万個あるといわれるエクリン腺のうち、実際に活動している能動汗腺は額や手のひら、足の裏に多く集中しています。
一方、アポクリン腺の役割は、体臭の原因となるニオイのある汗を作りだすことです。多くの動物は、汗そのものが個体の認識や仲間同士の確認、異性を惹きつけるフェロモンの役割を果たしています。しかし人間は、進化の過程で体毛とともにアポクリン腺も徐々に退化し、脇や性器の周辺などの局部にしかアポクリン腺が存在していません。代わりに、寒さから身を守るために衣服を着込み、暑さをしのぐために体温調節を持ったエクリン腺が進化したと考えられています。
実は、汗の材料は血液です。体温が上昇すると、血液の一部が汗腺に流れ込み、(血液から赤血球などを取り除いた)血しょうと呼ばれる汗の元が作られます。血しょうに含まれるミネラルがそのまま汗となって出てしまうと、体にとって必要な成分が大量に失われることになります。そのため、汗の元は皮膚表面に出るまでの道のり(導管部)でろ過され、余分な成分が含まれない99%水の汗となります。これが本来の汗、つまり《良い汗》といえます。
しかし、現代人の多くは、生活環境の変化やストレス、運動不足などで、汗腺の働きが悪く、ミネラルを再吸収できずに体外に排出される《悪い汗》をかいているのです。
汗腺のろ過機能は、汗をかけばかくほど高まるという特性があります。運動をよくしている人は、そうでない人より汗の濃度が薄いことが知られています。汗をかくことを避けるのではなく、適度に汗をかいて汗腺を鍛えることが、良い汗をかく秘訣なのです。
食事については、きのこや海藻類など食物繊維が豊富な食品は腸内細菌にも良い効果があることがわかっており、ニオイにも良い影響があると考えます。ニオイが気になる原因や場所などによって、日頃の食事を見直すことで改善できることもありますよ。
運動をしてサラサラの良い汗をかき、バランスの良い食事で体内環境を整え、快適な夏を過ごしましょう。
かめかわ かんだい。「なごみクリニック(熊本市北区)」院長。「糖尿病再生医療研究所(熊本市東区)」所長。1997年、宮崎医科大学医学部(現・宮崎大学医学部)卒業。鹿児島市医師会病院、宮崎県延岡市介護老人保健施設、西階クリニック院長などを経て、2017年になごみクリニック院長、2018年に糖尿病再生医療研究所所長に就任。著書に「ラ―メン好きの医者が教える 糖質制限の外食ガイド」がある。
体臭の原因の一つに挙げられるのが、肉類や乳製品などの料理が主流となった、今の日本人の食生活。
特に、動物性食品や油もの、お酒などの刺激物を好む人は、体臭を発生させやすいといわれています。そこで今回は、『からだのニオイは食事で消す』の著者・岡部賢二さんに、食事と体臭の関係、体臭の予防に効果的な食品や料理などを伺いました。
「かつて、肉類をほとんど食べず、菜食が基本だった日本人。穀物と野菜中心の食生活をしていると、体臭はほとんどないんです」と岡部さん。現代人の体臭の主な原因は、動物性食品の摂取にあると考えています。「第二次世界大戦後、庶民の食事が欧米化し、動物性の食べ物や油脂の摂取量が大幅に増加。その頃から日本人の体臭も欧米化してしまったのです」と続けます。
皮脂腺は、動物性脂肪を多く摂取することで働きが活発になります。岡部さんによれば、これが体臭の発生の原因を作っているそうです。
動物性食品の最たるものは肉類、脂がのっている魚類。「肉類のたんぱく質が腸内で分解されるときに、腐敗毒素が発生します。これが血液中に吸収されると呼吸器や汗腺から出て口臭や体臭の原因になります」とのこと。揚げ物や乳製品も、体臭を出しやすい腸内環境の原因に。動物性食品の摂取を控え、植物性食品を中心にした食事に変えることで、善玉菌の多い腸内環境を目指せば、これまで気になっていた体臭も変化するかもしれません。穀物や野菜といった植物性食品は、昔ながらの日本人の食生活。味噌や醤油などの発酵食品、食物繊維を多く含む食材にも注目したいものです。
この夏は、日本人の伝統食を取り入れて、ニオイを元から断つ食生活を試してみてはいかがでしょう。
からだのニオイは食事で消す
著/岡部賢二 発行/河出書房新社